Mt.Poco blog

登山での体験談やおすすめ情報を紹介します

登山のペース配分

修行登山の成果

登山デビューから真面目に1人で修行登山をしたおかげで体力・技術ともに
「かなり成長したなぁ」と自画自賛していました。

そんな中、デビュー戦で一緒に歩いた同僚と再び山に行くことになりました。
山の選定と下調べは僕に一任されていたため、以前から気になっていた
群馬県谷川岳に決めました。

谷川岳(肩の小屋付近)

思わぬ展開

この日も天候に恵まれ、テンションMAXです。
服や装備も同僚に勝っています!(全身 The NorthFaceですから)
厳しく孤独な修行を経ていますので自身満々です!
駐車場からロープウェイ乗場に向かって歩き出すと同僚が言いました。


同僚:「まさかロープウェイ使うとか言わないですよね?」


僕:「ん?」(そのつもりでしたが何か?)


なんだか自分がとてもヌルいチョイスをしたような感覚になりました。
ロープウェイを使わずに登る場合、西黒尾根を歩くことになります。
でも、ガイドブックに書いてあったんです・・・


“日本三大急登”って・・・


僕は、無意識でこの言葉にビビっていたのかもしれません・・・
弱い心を封印してこの急登に挑戦することになりました・・・

 

日本三大急登に挑む

このコース、出だしから急登です・・・
数分で汗が噴き出してきます・・・

同僚は超ご機嫌です。
そう、彼はかなりの運動神経の持ち主なのです。
いい歳してバック転ができてしまうような・・・

でも、僕もそこそこスポーツをしてきたプライドがあります。
(瞬発力的な能力はありませんでしたが・・・)

激しく呼吸を乱しながらも懸命に傾斜のある樹林帯を登ります。
同僚は僕の10メートル先を歩き、僕を気にしています・・・
修行を積んできたのに・・・
屈辱です。

 

ガラスのプライド、簡単に割れる・・・

ペース配分も何もなく、ただ同僚に置いて行かれまいと必死です。
呼吸はゼーゼー行ってるレベルです。

でも、何とか森林限界となる休憩ポイントに着きました。
速攻で岩にへたり込みました・・・
そこで同僚の言った言葉が、僕の繊細な薄いガラスのようなプライドを
粉々に砕いたのです・・・


同僚:「凄いじゃないですか!ついてこれてるじゃないですか!」


僕:「・・・」(は?なんですと?)


めっちゃ上から目線の悪意のない一言に僕は再び屈辱を受けたのです。

 

もうペースは上がらない

少し長めの休憩を終えると、景色の良い稜線歩きが続きました。
稜線に出ても急登です。
森林限界を超えているから景色が良い分マシなだけです。

樹林帯の急騰をペース配分もなしで突っ込んだツケが出てきました。
激しく乱した呼吸は、もう戻りません。
少し歩くとゼーゼー言う呼吸になってしまいます。
修行のおかげで足の筋力だけは微かに残っていました。

そして苦労して何とか山頂にたどり着くことができました。
4時間のコースタイムに対して、結局5時間近くかかりました・・・
屈辱的です・・・(同僚がピンピンしている姿が・・・)

谷川岳の山頂、苦しかった分、嬉しかったです。
谷川岳は双耳峰(山頂が2つある山)なのでそれぞれの頂の名前があります。
 トマの耳とオキの耳と言います。

帰りは天神尾根からロープウェイで下山しました。
同僚は田尻尾根から歩いて下山したがっていましたが、
「熊が出た」との情報があり渋々ロープウェイで下山しました。
(危うく付き合わされるハメになるところでした・・・)

下山後、同僚は僕に悪意をもって言いました。


同僚:「修行、まだまだ足りないっぽいですね」


僕:「・・・」

 

学んだこと

①誰かと登山するなら事前にコースは共有しておく

②ゼーゼー言うほど呼吸を乱したら回復しない

③登山にはペース配分が重要

④日本三大急登を登ったという事実は自信になる


では、良い山行を!