真夏の4泊5日のテント泊修行とは
4泊5日のテント泊修行を決意
これまで夏休みはテント泊で2泊か3泊するのが恒例でした。
しかし、この年は友人とスケジュールが合わず、これまた恒例の沖縄旅行が
できなかったこともあり、北アルプスで遊びまくることにしました。
これまで経験したことがない領域に足を踏み入れてみようかと。
真夏のテント泊5日間(4泊5日)に挑戦。
僕は、自分ほど汗をかく人を見たことがないレベルの汗かきです。
若い頃は今よりもスリムで爽やかさがありましたが、今は違います。
オッサンなのに汗だくです。いろいろ気にしなければなりません。
顔拭きシートと汗拭きシートを4泊耐えられる量を持参しました。
でも背中とか1人じゃ拭けないんですけどね・・・
上高地から槍ヶ岳、そこから大キレット経由で涸沢への贅沢プラン
計画は、以下のとおりです。贅沢です!
<1日目> 上高地~殺生ヒュッテまたは槍ヶ岳山荘のテント場
<2日目> 槍ヶ岳~大キレット~北穂高岳~奥穂高岳のテント場
<3日目> 奥穂高岳~涸沢(酒を飲んで疲れを癒す)
<4日目> 涸沢でひたすらノンビリ(ヒマすぎたら寝る)
<5日目> 涸沢~上高地
初日は快適なペースで歩いていましたが、汗も大量にかいていたせいなのか
何となく目が霞んでいる気がしたのでムリせずババ平キャンプ場で1日目を
終了することにしました。
この時、既にトラブルが忍び寄ってきていたのです。
「明日は槍ヶ岳をパスして南岳に向かおう」とか考えていました。
目の違和感も寝れば治ると信じていました。
視界がもの凄く霞む・・・
2日目も晴れ。暑い日になりそうでした・・・。
ババ平から大曲という分岐点まで80分ほどです。
(この分岐で槍ヶ岳方面と南岳方面に分かれます)
しかし、視界がもの凄く霞んでいるのは昨日と同じでした。
まあ、誰でも分かりますけど、寝たら治るとは限りません!
汗をかけばかくほど酷くなっているように思えました。
途中、目の違和感で休憩していると、男性から声をかけられました。
男性:「大丈夫?目?」
僕:「はい。なんか目が霞むんですよね・・・」
男性:「使ってない目薬あるから使った方がいいよ」
僕:「でも、目薬だし。迷惑かけちゃうから・・・」
男性:「めっちゃ上から差せばOKっしょ」
僕:「じゃ、じゃあ、お言葉に甘えて・・・」
心優しい男性に目薬を使わせてもらい若干マシになりました。
何滴も狙いを外して貴重な薬をムダにしてしまいました・・・
この目の状態で槍ヶ岳や大キレットは難しいかな・・・
「下山しよう・・・」
残念ですが、自分自身をリスクに晒せない・・・
まして、誰かに迷惑をかけることだけは全力で避けなければならない。
最高の天気の中、勇気ある撤退です!
横尾山荘のベンチで爆睡、すると・・・
ババ平キャンプ場を過ぎ、槍沢ロッジを過ぎ、感覚的にはあっという間に
横尾山荘に到着しました。(9時ころには着いていたと思います)
目は、霞みだけでなく若干痛みも感じるようになっていました。
ベンチにゴロンと横になり、5日間の計画の内、まだ2日目という事実に
明日から何しようと考えていたら・・・
真夏の日差しのもと、顔にタオルもかけないまま、まさかの爆睡・・・
しかも2時間・・・
そこで奇跡が起きたのです!!
日焼けして顔はヒリヒリするけど目の霞が完全に治ってる・・・
僕は考えました。若干、スペック不足の脳を無理やり回して。
「よし、涸沢に行こう!」
時間的にも体力的にも問題ありません。
また途中で視界に違和感がでたら下山すると決めて横尾大橋を渡りました。
そして、これ以降、目の霞に悩まされることはありませんでした。
涸沢に行ったら“おでん”を食べましょう
涸沢には、涸沢ヒュッテと涸沢小屋という2つの施設があります。
涸沢ヒュッテは規模が大きく常に人が大勢います。
ココの名物は“おでん”です。
ただし、早くたどり着かないと品切れになってしまうので注意です。
まあ、品切れになってもレトルトのおでんは販売しています。
因みに、どっちも美味しいです!!
テント泊あるあるですが、飲むなら昼から飲んだ方がいいです。
そして可能な限り早めに体の中の水分を外に出しておくことをおすすめします。
テント泊でのトイレは面倒なので。しかも寒いし・・・。
3泊目と4泊目、日に日に風呂が恋しくなる・・・
3日目は、南稜から北穂高岳、奥穂高岳と歩き、ザイテングラートから
涸沢に戻るという周回コースを堪能しました。
このコースは、短いですけど僕の感覚的には大キレットと比較しても
レベルは変わらないと思います。
むしろ、大キレットの方が分かりやすいいというか親切です。
4日目は、やることないので涸沢でビール飲んで本読んで寝て・・・
起きてパノラマコース歩いて戻って寝て・・・
超贅沢な1日を過ごしました。
(詳しいレビュー記事もそのうち書こうかな・・・)
3日目あたりから薄々は感じていたのですが・・・
顔が脂ぎっている・・・
体も脂っぽい・・・
ジョニーのあたりも気になる・・・
何より頭がかゆいし、シットリしてるし、髪が抜ける・・・
4日目の夕方と5日目(下山する日)の朝は、念入りに水で顔を洗い、
顔拭きシートと汗拭きシートで念入りにゴシゴシしました!
や、やめてぇ~
5日間の修行生活を無事に終え、奇跡の場所である横尾に戻ってくると、
初めての穂高と思われる35歳くらいのギリギリ山ガールズ3人が、
「オクホはドコ?」「アレ、オクホ?」とか盛り上がっていました。
フレンドリーな3人は、僕に「あの山何ですかー?」と声を掛けられ、
教えてあげると、会話のキャッチボールが始まりました。
僕がテント泊5日目で、今すぐお風呂に入りたい件やバスで僕の体からの
異臭騒ぎが起きたら生きていけない件について。
すると、3人が何やら僕の方に寄って来るのです。
「近く来ると臭いから!」って言ってるのに寄ってくるのです・・・。
すると、鼻がシャツに付くくらいの至近距離でクンカクンカしてるのです。
「や、やめてぇ~」
臭いを嗅がれて、オエとか言われたり、無言でムセるとかマジ勘弁です・・・
そーいうの僕傷つくので・・・
すると笑顔で言われました。
3人組:「ぜんぜん大丈夫~」
僕:「・・・」
なお、この時の会話から友達になり、一緒に山に行ったりしています。
いろんなことが起こるから山は楽しいですよね!
学んだこと
①真夏のテント泊で4泊はキツい(臭いとか僕は気にするので)
②汗かきは目薬を持参しよう
③髪が抜けるから髪の毛を触るのは止めておこう
④撤退の決断は、誰かに迷惑をかける前に、余裕があるうちにしよう
⑤汚い体を包んでくれていたシュラフも多分汚い(シュラフ=寝袋)
では、よい山行を!